映画の楽しさを伝えたい「映画と街のつながりを膨らませていきたいです」

三井 覚さん (宇都宮ヒカリ座 支配人)

宇都宮市の中心市街地にある唯一の映画館「宇都宮ヒカリ座」の支配人を務める。

所在地
宇都宮市〜埼玉 在住
埼玉 仕事 Iターン 宇都宮

ダブルプレイスの仕方

親と暮らす住まいは埼玉県。職場である宇都宮には週に2〜3日滞在している。

  • 宇都宮でもアート系映画が見れると話題の映画館

    中心市街地の映画館「宇都宮ヒカリ座」の支配人として、2003年に抜擢された三井さん。街なかの映画館がシネコンに押されて消えていく中、アート系映画の上映やトークショーといったイベントも行うなど、従来にない企画で新風を吹き込み、話題となっている。

  • 3スクリーンで8本の映画を回す。作品は 2週間で入れ替え、年間で200本近い映画を上映することで、様々な作品を楽しめるようにしたという。

    サービス業が盛んな街で生まれ育った
    経験を軸に時代の変化を柔軟にキャッチ

    大学卒業後に飲食、アミューズメント、映画館などを有する総合遊技業関連の企業に勤務した三井さん。東京都台東区の街なかで生まれ、映画や飲食などのサービス業に身近な環境で育った三井さんにとって、この業界で仕事をすることはごく自然な成り行きだった。そして、2001年に宇都宮ヒカリに転職したことをきっかけに宇都宮市での勤務がスタート。その頃はシネコンの進出により、街なかの映画館はどんどんなくなっていった時期だったが、三井さんはシネコンとは異なる独自路線を取ることを選ぶ。折しも、映画がフィルムからDLP(デジタル・ムービーシステム)方式に変化し、東京で上映された映画が今までより格段に早く入手できるようになった。そんなデバイスの変化も後押しとなり、2012年から宇都宮ヒカリ座ではアート系の映画を中心に上映する方針となった。そもそも栃木県内ではアート系映画を中心に上映する映画館がなかったが、潜在ニーズを掘りおこした形となり、確実に客数を伸ばしている。

  • 新機軸の試みで街なか映画館としての存在感を発揮

    かつて複数の映画館があった宇都宮。「映画を見て食事をすること」は、家族連れの娯楽であり、デートコースの定番だった。でも、唯一残った宇都宮ヒカリ座では、ひとりで訪れる客が増え、女性客や中高年まで客層も広がっている。また、定期的にトークショーといったイベントも行うなどさまざまな試みも話題に登る。さらに、映画を観るという行為は、館内で終らず街なかへと広がりを見せている。「2012年頃から、地域ともつながりができてきました。映画の内容との連動した企画を街のカフェやレコード店と一緒に行なったこともあります」宇都宮という街の文化を担う存在として、映画館に新たな価値が見い出されつつある。

  • 映画館と商店との連携で街なかが
    もっと楽しくなる

    「週に2〜3日は宇都宮で暮らしていますが、食事をするにも良いお店が多く、人々も優しいですね」と話す三井さん。今後も街の商店との連携を深め、ゆくゆくは、餃子やカクテルともコラボして映画祭をやれたら、と夢を膨らませている。

    支配人とはいえ、企画から接客まで館内の仕事はすべてこなす三井さん。上映作品の掘り起こしのために東京へ出向くスタッフもいる。

宇都宮の「イイトコロ」をひと言でまとめると

宇都宮は街としてのポテンシャルが高い場所だと思います。良いお店も多く、街の人々も優しいですね。

100年先も誇れるまちを、みんなで。 宇都宮プライド