江 小涛(こう しょうとう)さん
(寿限無(ジュゲム)餃子工房 オーナー)
留学がきっかけで宇都宮へ。現在は宇都宮市で居酒屋のほか餃子専門店「寿限無(ジュゲム)餃子工房」を経営している。
- 所在地
- 中国出身、宇都宮市在住
留学がきっかけで宇都宮へ。現在は宇都宮市で居酒屋のほか餃子専門店「寿限無(ジュゲム)餃子工房」を経営している。
留学がきっかけで中国から宇都宮に住むことになり、今は宇都宮で居酒屋のほか餃子専門店「寿限無(ジュゲム)餃子工房」を経営する江さん。「宇都宮餃子会」にも加盟し、化学調味料無添加で、地元産素材を中心に質の高いオリジナル餃子作りに「地産地消推進店」として取り組んでいる。
「宇都宮に来たのは偶然だったんです。でも実際に住んだらとてもいい街で、宇都宮を知らない私に皆さんが親切に接してくれ、私にとって第二の故郷です。これからは、この街と出会った人たちに恩返しをしていきたいです」
「寿限無(ジュゲム)餃子工房」で提供している『寿限無(ジュゲム)餃子』(手前)と『寿限無(ジュゲム)翡翠餃子』。化学調味料無添加で、子どもにも安心。
餃子入りたい焼き『魚(ギョ)ーザ焼き』などのユニークな商品も開発している。
もともと中国から伝わった餃子。「宇都宮に初めて来たとき、餃子が有名だという話は聞いていました。だからノートを持って毎日餃子を食べ歩いたんです。それぞれ個性的ですごく勉強になりました」と同時に、中国でなぜ餃子が生まれたのか、どんな食べ物なのか、餃子の“文化”を伝えられる人が宇都宮にまだいないことにも気付いたという。
もちろん江さん自身も幼い頃からよく家族のみんなで餃子を作り、食べてきた。宇都宮に来たことで、祖父や祖母から聞いてきた餃子の由来についても改めて調べたという。「約1800年前に中国で餃子は生まれました。餃子は縁起物で旧正月と祝い日のときに食べるものなんです。餃子を包むことは福を包むということです。餃子は船の形なんですが、福を包み込んだ「宝船」を表しています。昔の金貨も船の形をしていたんですよ」江さんの店で提供される餃子は、宇都宮餃子と中国の餃子、その二つを研究した努力の結晶だ。
餃子の消費量が日本トップクラスの宇都宮。「“餃子を食べるなら宇都宮”という知名度はすでに抜群なので、“餃子のことを知るなら宇都宮”という次の段階に進みたい。食べるだけではなく、文化や作り方…そういうことを知りたいなら宇都宮へ、と日本はもちろん世界の人に伝えていきたいです。宇都宮の人が餃子のことを知らないのはもったいない。中国から来た私だからこそできることもありますが、私一人の力では限界があるので、ぜひ宇都宮の皆さんと一緒に盛り上げていきたいです」これも宇都宮に来たからこそ気付けたこと。日本と中国の架け橋として、これからも餃子の魅力を発信してくれるだろう。
家庭的な雰囲気の店内。
「宇都宮を盛り上げていきたい」と語る言葉にも熱がこもる江さん。
人と同じことをやるより、人に伝わる「価値」を創る。
これに気付かせてくれた街ですし、これができるのも宇都宮だからこそ。