松永 宗徳さん
(日本貿易振興機構(ジェトロ)栃木貿易情報センター所長)
宇都宮市ゆいの杜にあるジェトロ栃木貿易情報センター所長として、2015年に宇都宮に単身赴任。
- 所在地
- 県外出身・宇都宮市在住
宇都宮市ゆいの杜にあるジェトロ栃木貿易情報センター所長として、2015年に宇都宮に単身赴任。
「私は福岡県福岡市の生まれです。いわゆる『博多っ子』ですね」と笑顔になる松永さん。もっとも小さい頃に父親の実家のある佐賀県神埼市に移り、小学校から高校まで過ごした。人口約3万人の神埼市は、吉野ケ里遺跡が近くにあることで広く知られている。「のんびりした田園地帯の街」神埼市と「九州随一の都会」福岡市。どちらも、松永さんにとっての「故郷」のようだ。高校卒業後に上京、大学に進学した松永さんは、卒業後に独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)に就職した(当時は日本貿易振興会)。ジェトロは日本企業の輸出や海外進出をサポートする役割を担っている。現在の法人は2003年に設立されたが、前身の日本貿易振興会から数えると半世紀以上の歴史を持っている組織だ。
「海外と日本を橋渡しする仕事をしたかったので」就職先にジェトロを選んだ松永さん。企業だと、取り扱う商品や取引相手国が限られてしまう。「いろいろな分野や様々な国を相手に、第三者的な立場でビジネスを盛り上げたかったんです。」
「海外とのビジネスを支援するのが、ジェトロの仕事」と話す松永さん
就職後の松永さんは、東京の本部や出身地の福岡、海外ではスリランカで仕事をしてきた。それぞれに特徴を持つ場所を移り住んできた。そして松永さんの横には、いつも家族がいた。
「私の家族ルールで、家族は一緒に住むことにしています。ですから内戦中(当時)のスリランカも家族一緒に行きました。」と話す松永さん。けれども栃木県には単身赴任となった。「子供の受験などがありましたし、関東地方の中で引っ越しをするのはどうかと家族全員で話し合った結果、今回だけは単身赴任となりました。」
栃木県には、宇都宮市に栃木貿易情報センターができた2015年に移り住んだ。約3年間、宇都宮市や栃木県で、仕事や生活をしていることになる。
「月曜日から金曜日までこちらで働いて、金曜日の夜に横浜に帰ります。そして日曜日の夜、宇都宮に戻って来て、月曜日からの仕事に備えます。これが現在の生活サイクル。来たばかりの頃は県内あちこちを訪ね歩いたので隔週や月1回の帰宅でしたが、現在はほぼ毎週帰っています。」
栃木県や宇都宮市では、どんな相談が多いのだろうか。
「開設当初は、農産物や酒など食品の輸出のご相談が多かったです。食品はいろいろな輸入規制が多いので、簡単ではないのですが。そうであれば、現地に出店することはできるだろうかと相談されることも少なくありません。また工場進出など意欲的な相談もあります。それから、すでに海外進出をしている企業から、新たな国への進出のご相談だったり、貿易トラブルについてアドバイスを求められたり、様々な課題に対してお客様と一緒に取り組んでいます。」
栃木県には企業の研究開発拠点が集積しているため、日本に導入されていない計測機器や研究用製品などを輸入したいという相談も多いという。これは、宇都宮市などの工業団地に大企業が数多く立地していることによる特徴だろう。
多種多様な問い合わせや相談に、真摯に対応する松永さんたちスタッフ
松永さんは、宇都宮市や栃木県についてどのように感じているのだろうか。
「何より、とても生活しやすい街だと感じています。車を持っているということが前提ですが、生活を楽しむいろいろなスポットがあって、そこにすぐにアクセスできます。買い物にも仕事にも適した街ですね。また東京に近いことも、大きなメリットです。そして豊かな自然があります。これは、都会にはありませんから、嬉しいですね。」その一方で、こんなアドバイスも。
「宇都宮の方々は、相手を思いやる気持ちが強く、そのためにあまり自己主張をされない傾向があります。でも、宇都宮をもっと堂々と自慢することも大切。宇都宮は、外から来た私が見ても素晴らしい街ですから、地元の良さやお勧めスポットなど自信を持ってどんどん宣伝するといいのではないでしょうか。まずは自ら『宇都宮は最高、栃木はすばらしい!』という郷土愛を言葉にすることが、地域をより良くする第一歩だと思います」
豊かな自然とすばらしいスポットがあります。
県内どこにでもすばやく移動できる交通アクセスの良さがあります。