大垣 直巳さん(フレンチレストランオーナー)
宇都宮市ユニオン通りにある人気フレンチレストラン「Naomi OGAKI」を経営。
- 所在地
- 栃木県出身・宇都宮在住
宇都宮市ユニオン通りにある人気フレンチレストラン「Naomi OGAKI」を経営。
夕暮れ時のユニオン通り、一際目を引く大谷石の外観。フランス・プロヴァンス地方とアルザス地方の料理、その土地で造られたワインがカジュアルに楽しめるレストラン「Naomi OGAKI」がある。この店の“顔”を務めるのが大垣さんだ。大垣さんは高校卒業後、渡仏。「当時、国内で修行せずに渡仏するのは稀なケースだったと思います。学校で料理の勉強をしたとはいえ素人同然。でも周囲の期待を背負って行ったので、中途半端では帰れない。一つ一つ乗り越えるしかないと腹をくくりました」
チームワークを大切にする「Naomi OGAKI」スタッフの皆さん。
フランス修行時代の出会いは今でも大垣さんの大きな心の支えになっている。
11年に及ぶフランス修行の後、帰郷。東京に店を出すという選択肢はもちろんあった。「私が学生時代から高い志を持ち続けることができたのは、音羽和紀シェフとの出会いがあったから。少しでも力になりたいと思い、音羽シェフの経営する宇都宮のレストランで働くことにしました」
いずれ独立して東京へ、という気持ちに変化が現れたのはそのころ。宇都宮で働くうち、自分はなぜそんなに東京でやりたいのか?という気持ちが湧いてきたという。「私がやりたいのは、食事とともにワインを楽しんでもらえる店。正直、車社会の栃木県では難しいと思っていたんです。ですが宇都宮の人はカクテルが身近な土地柄もあり、お酒の飲み方、お店の使い方…楽しみ方にとても長けている。宇都宮で店をやったからこそそれが分かりました。宇都宮という場所に大きな可能性を感じ、ユニオン通りに「Naomi OGAKI」をオープンしました」
看板料理『パテアンクルート』は毎日売り切れてしまう人気の一品。
夜のユニオン通りで一際目を引く「Naomi OGAKI」外観。
2016年8月、横浜に「Vers par Naomi OGAKI」をオープン。宇都宮で地元に愛される店を作ろうと試行錯誤してきた経験を生かした店にしたいと語る。「「Naomi OGAKI」という名前を首都圏の人にも知ってもらいたい。そこで名前を知ってくれたら、宇都宮に来てくれる人も増えると思うんです」宇都宮から首都圏へ。日々挑戦を続ける大垣さんの目は輝いていた。
アルザス地方の色や素材感を再現したという店内は温かみのある居心地の良い空間。
栃木SCの選手を対象にした料理教室も実施。地元プロスポーツチームと連携して街の活性化にも寄与している。
宇都宮は“食の楽しみ方”を知っている人が多い街。異文化を受け入れる懐の深さもあり、大きな可能性を秘めている街です。