斎藤 龍介さん(農業経営)
東京都西東京市出身。異業種からイチゴ農家として宇都宮での就農を決意。現在では、研修生の受け入れなど、自らの体験をもとに就農希望者へのサポートも。
- 所在地
- 東京出身・宇都宮市在住
東京都西東京市出身。異業種からイチゴ農家として宇都宮での就農を決意。現在では、研修生の受け入れなど、自らの体験をもとに就農希望者へのサポートも。
何棟ものハウスが立ち並ぶ宇都宮市下田原町のとある一角。イチゴの甘酸っぱい香りに包まれたハウス内で、今日も齋藤さんは奥さんと仲睦まじく作業をしている。東京から宇都宮に移り住んで5年目。それまでは東京で飲食店の店長として多忙な日々を送っていた。もともと“食”に関心があったが、就農フェアへの参加をきっかけに本格的に農家としての道に進むことを決意。同じく東京出身の奥さんも「都内に暮らす家族や友人に、日帰りで会いにいける場所だから」と宇都宮への移住を快諾。こうして斎藤さんは宇都宮でイチゴ農家として新たな人生のスタートを切ることになった。
夫婦二人三脚でイチゴ農家を営む齋藤さん。今は研修生の受け入れなど、自らの体験をもとに就農希望者へのサポートにも積極的に取り組んでいる。
宇都宮に来てからは暮らしの中で人と交流する機会が増えたと感じているそう。
1年ほどの準備期間を経て、宇都宮に引っ越ししたその日に起きたのがあの東日本大震災。「荷物もそのままの状態の時にあの震災が起きてしまいました。そんな大変なときに近所の方や先輩農家さんが食べ物や灯りを届けてくれたんです。見ず知らずの私たちにいろいろと親切にしてくださって本当にありがたかったです」都心へのアクセスの利便性や就農環境で選んだ宇都宮の地。しかし結局のところ、斎藤さんがここまで一家の大黒柱として家族を守り、夢を叶えることができたのは、農業をサポートする団体・制度や、初めての地方暮らしを手ほどきしてくれる地域の人たちのあたたかい支えがあってこそ。
「3人の子どもたちもそれぞれに宇都宮での暮らしを楽しんでいます。なかなか家族そろってゆっくりと休みを過ごすことはできませんが、夏は近くの水路にホタルを見に行ったり、この畑でキャッチボールしたり。自然豊かな環境で、みんな伸びやかに成長してくれています」そうさわやかに汗をぬぐう斎藤さん。
齋藤さんが作るイチゴ。「とちおとめは味と値段のバランス、育てやすさも含めて完成度が本当に高い品種です」と語る。
齋藤さんが作るイチゴ。「とちおとめは味と値段のバランス、育てやすさも含めて完成度が本当に高い品種です」と語る。
今では研修生の受け入れなど、自らの体験をもとに就農希望者へのサポートも積極的に取り組む。これからは自分が“支える側”として、この地にやってくる人を支援したいという新たな夢を抱いていた。
支えてくれる人の温かさ、日帰りで都内に行けるアクセスのよさ、豊かな環境がそろっていて、魅力が詰まった街です。