交通アクセスがよく、自然も豊かな街「オリオン通りなど繁華街の賑わいも戻りつつありますね」

眞貝 知秀さん
(シンガイ写真館 常務取締役)

宇都宮市の老舗写真館「シンガイ写真館」4代目に生まれ、昨年後継者として入社、活躍中。

所在地
宇都宮市出身、宇都宮市在住
東京 宇都宮 Uターン・転職

ダブルプレイスの仕方

日本大学芸術学部進学時に東京へ移住。大学卒業後にバンクーバーとトロントに半年ずつ留学。卒業後、1年間を神戸の写真館に勤務した後、宇都宮に戻る。

  • 「小学生の時に、後継者に手を上げました」

    88年の歴史を持つ、宇都宮市の老舗写真館「シンガイ写真館」。現在は市内中心部の馬場通りにある「本店 馬場通り店」と「写楽館シンガイ 八幡台店」、それに「宇都宮二荒山神社写真館」、「街の証明写真館 表参道スクエア店」の4店舗がある。眞貝さんは、現社長の次男で、現在25歳(平成30年3月現在)。入社してまだ半年くらいだが、八幡台店にて仕事に励んでいる。
    「兄がいるんですが、僕が小学生の頃に『写真館はお前に任せるから』と宣言されてしまって」と笑いながら話す眞貝さん。「思わず『はい』と答えたんです」
    小学生で後継者に決まった眞貝さんだが、父親から写真の手ほどきを受けたことは、ほとんどないという。「大学受験の時、僕は一般受験とAO受験の両方を受けたのですが、その時に少し教えてもらったくらいですね」
    息子の将来のためには、親が教えるよりも学校できちんと学ぶ方がいい、と判断したのだろう。そのため、正式に写真術を学び始めたのは日本大学芸術学部写真学科に入ってからだった。

  • スタジオで撮影のセッティングをする眞貝さん。自然な表情を引き出すためにいろいろな工夫をしている。

    修業先の写真館のセンスや
    営業技術を取り入れたい

    大学卒業後は、神戸の写真館で1年間修業したという。
    「いま、とても伸びている写真館だったので、いろいろなことを学ばせていただきました。雰囲気もおしゃれで、うちが学ぶところはたくさんあるなと感じました。本当は経営まで学びたかったのですが、さすがに1年間では難しかった気がします。ただ、お客様へのアピールの仕方やサービスの価格設定など、取り入れたいことはたくさんありました。シンガイは伝統ある写真館で撮影技術も高いのですが、修業先の写真館のファッショナブルなセンスはぜひ取り入れていきたいと思っていますし、価格設定についてもこれから社長と話し合いつつ、うまく取り入れたいですね」

  • 写真館での撮影は自分や家族のイベント

    写真館で写真を撮る機会、プロのカメラマンに写真を撮ってもらう機会は、現代ではそう多くはない。お宮参りや七五三、成人式など、数回だろう。加えて結婚式でカメラマンに撮影してもらうくらいだろうか。今はデジタルカメラが普及し、その上スマートフォンのカメラの性能もどんどん向上しているため、写真そのものは手軽に撮れるようになった。
    「写真が身近になったのは良いことだと思います。でも、写真館で撮る良さも知ってほしいですね。プロが、高い技術で撮影しますから、ふだんのスナップでは思いもよらない自分の姿を見ることができます。それに、予約を入れたり、ふだん着ないようないい服を着たり、終わった後で家族全員で食事に行ったり——そんな思い出を作ることもできます」
    写真館を利用することは、自分や家族のイベントでもあるのだ。
    「自然な表情を出してもらうため、カメラマンやアシスタントがいろいろ工夫して、話しかけたりポーズをつけてもらったりします。最初は緊張している方でも、徐々に力が抜けて、自然な表情になっていきます。その人の魅力を最大限に引き出すのも、写真館で撮るからこそですよね」

    「パソコンの画面で見るのもいいですが、プリントした写真は伝わるものが違いますよ」と話す眞貝さん。

  • 「写楽館シンガイ 八幡台店」外観

    これからの「シンガイ写真館」を背負って

    眞貝さんは、子どもの「いい顔」を引き出すのが、うまい。話しかけたりおもちゃを与えたりしながら、リラックスさせて最高の表情になった時にシャッターを切るのだ。
    「子どもの、いかにも子どもらしい顔と、時々ふっと見せる大人っぽい表情の2つを写真に撮れるよう、工夫しています。そういう写真は、お客様も喜んでくださいます」
    子どもとの付き合い方も、神戸の写真館での修業の成果だという。
    「僕自身は独身ですが、あの1年でずいぶん上手に子どもと付き合えるようになりましたね」
    写真撮影技術だけでなく、経営的なセンスも今後は学び、磨いていかなくてはならない。会社の経営のことになると、眞貝さんの表情はおのずと引き締まる。
    「自分や自分の家族だけではなく、従業員やその家族の生活まで、背負うことになります。だから、しっかりしなくてはいけないと自分に言い聞かせています」
    人口減少時代、写真館のお客様も少なくなって来る。それにどう対応するか、いままでのファンを守りつつ新しい顧客開拓をどう進めていくか、眞貝さんはこれから本格的な経営者をめざすことになる。

  • 「宇都宮は生活するには良い街」

    最後に、東京や神戸、トロント、バンクーバーなどを見て来た眞貝さんに、宇都宮市のいいところを訊ねた。
    「繁華街もあるし自然も豊かで、住みやすい街だと思います。治安もいいですし、物価も高くないから、生活するには本当に良いところだと感じています。それに那須や日光などにもすぐに行けますね。交通アクセスの良さを実感します。公共交通も整備されていますから。宇都宮は、東京へ通勤している人も多いですね。これも住みやすい街である証拠じゃないでしょうか」
    近年はオリオン通りに飲食店も増え、活気が戻ってきているという印象を受けている眞貝さんだ。
    「個人的には、駅の前に遅くまでやっているスーパーがあるといいと思います。通勤している人が帰りに寄って買い物ができれば、より便利になるんじゃないでしょうか」

宇都宮の「イイトコロ」をひと言でまとめると

住みやすく、安全安心な街です。公共交通も発達しているから、いろいろな場所へ気軽に移動できます。

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