個性豊かで、笑顔に満ち溢れた街「住んでいるとなかなか気付かない、宇都宮の魅力を伝えたい」

今井 絵理さん
(NPO法人「ERICCO BOOK PROJECT」代表)

絵本作りワークショップを、永田江里子さんとともにスタート。
活動を安定的に広げるため、NPO法人も設立。

所在地
静岡県出身・宇都宮市在住
静岡県 → 宇都宮 Iターン・引っ越し

ダブルプレイスの仕方

静岡県藤枝市出身。大阪の建築専門学校を卒業後、東京で就職。結婚後に夫の転勤で宇都宮市へ移住。

  • 同じ歳、同じ出身の二人が偶然出会った

    手作り絵本のワークショップを主宰する、永田江里子さんと今井絵理さん。出身も年代も同じ2人が、故郷から遠く離れた宇都宮市で出会ったのは2014年のことだった。
    「はじめは、友人が教えてくれたんです。『あなたと同じ歳で、出身も同じ静岡県の人が、子供向け英会話教室を開いているわよ』というので、何だか興味がわいて、子供と一緒に参加してみたんですよ」
    会ってみると名前も「江里子」と「絵理」で、子供の歳も同じくらい。ご主人が転勤族というところも同じだったので、たちまち親しい友人になった。それが「ERICCO BOOK PROJECT」の始まりだった。

    色とりどりのERICCO BOOK PROJECTの絵本

  • 「藤枝と宇都宮。どこか似ていますね」

    今井さんは静岡県藤枝市の出身だ。「父も転勤族で、私が生まれた当時は名古屋にいました。母は出産のために藤枝に戻り、そこで私を生みました。名古屋の後神奈川に転勤になりましたが、私が小学校3年生の時に藤枝に戻りました。私は18歳まで藤枝で過ごし、それから大阪の学校で建築の勉強をしました。東京の会社に就職し、それから結婚。夫の転勤で、東日本大震災の前年、2010年に宇都宮に来ました」
    少女時代を過ごした藤枝市は、どんなところだったのだろうか。
    「気候が暖かくて、のんびりした街です。宇都宮市よりずっと小さい街ですが、自然が豊かなところは似ていますね。宇都宮も、郊外にはのどかな田園風景が広がっていますしね」そう話す今井さんの声には、どこか懐かしさが含まれていた。

  • 「絵本を作りたい」「やろうよ」

    親しい友人同士となった永田さんと今井さんが、手作り絵本のワークショップを始めたのは、2016年のことだった。二人で将来やってみたいことを語り合っていた時、永田さんが「絵本作り」を挙げたのだ。子供の頃に絵本教室に通った経験のあった今井さんは「絵本だったら、すぐやれるじゃない」と応じた。
    「二人とも絵は描けない。でも絵本は作りたい。ヒントを求めていろいろな絵本を見ているうちに、貼り絵で絵本を作っているエリック・カールさん(代表作『はらぺこあおむし』など)の作品が目にとまったんです。『これだったらできるんじゃない?』と試してみたら、まるで魔法のように絵本を作ることができたんです。ここから『参加者が自分でいろがみを作る』『作ったいろがみを全員でシェアし、好きないろがみを切ったりちぎったりして絵本を作る』という絵本ワークショップのスタイルが生まれました」
    絵本には「絵」だけでなく「物語」が必要だ。絵を作りながら物語も考えるのは難しいので、これは事前に二人で作っておいた。「子供への愛おしさをもりこんだお話にしました。手作り絵本で読み聞かせをしたかったので」

  • 永田さんの海外転勤とNPO法人設立

    ワークショップはすぐに評判になった。希望者のために回を重ねつつ、遠隔地に住んでいたり時間がとれない人のためのキットも作成した。また宇都宮だけでなくさまざまな場所でのワークショップ開催も増えて行った。ERICCO BOOK PROJECT」という名前も決まり、順風満帆に見えた「手作り絵本ワークショップ」だが、2017年の春に永田さんのアメリカ転勤が決まった。時期は2018年1月。
    「ビックリはしましたが、二人とも転勤族ですから、いつかは——と覚悟はありました。それに江里子ちゃん(と今井さんは永田さんを呼ぶ)は『家族で外国で暮らす』という夢もありましたから、私は『良かったね、やったね』と一緒に喜んだんです」
    とはいえ、ワークショップをこれで終わらせてしまうつもりはなかった。二人は、周囲の友人たちとも相談しながら、ワークショップ運営のための組織作りに取りかかった。2017年12月に設立したNPO法人が、それだ。名前は「ERICCO BOOK PROJECT」を受け継いだ。
    「将来、江里子ちゃんも私もいなくなったとしても、絵本作りのプロジェクトが活動を続けられるように、組織をしっかり作って主催者育成やキット制作をできるようにするのが、目的でした」
    二人の若い主婦の夢からスタートした「ERICCO BOOK PROJECT」は、こうして新しい段階に入り、より大きく活動を広げ始めている。

  • 「子育てママが癒されるプロジェクトでもあるんです」と話す今井さん

    宇都宮は「ちょうどいい街」

    今井さんに、宇都宮のイメージを聞くと、少し首をかしげてから「ちょうどいい街」と言った。「街の大きさが、生活にはちょうどいいと思います、都会過ぎず田舎過ぎず、人との距離感も適度で、外から来た人がコミュニティに参加しやすいし、自分たちも作りやすいと思います。それから、何かに挑戦している女性も多いですね。ワークショップや教室や地域の活動など、いろいろなことに積極的に挑戦している女性に、たくさん出会います。それも街の魅力だと思います」

宇都宮の「イイトコロ」をひと言でまとめると

仕事にも生活にも「ちょうどいい」街です。外からきた人もコミュニティに参加しやすい雰囲気です。

戻る
100年先も誇れるまちを、みんなで。 宇都宮プライド